結婚LABO(ラボ)他人に聞けない結婚式の悩みにプランナーの本音トーク続々! プロフェッショナルガイド

Question 今回のお悩み

ウエディングプランナーからのアドバイス ウエディングプランナー
河合美香さんのアドバイス

Answer


今、日本の結婚式実施率は約50%と言われています。つまり、入籍したカップルが2組いれば、そのうち1組は結婚式をしていないことになります。 ところが、お子さんが生まれてから結婚式を挙げたご夫婦は、ここ数年で増えているのです。
この現実が意味しているのは、「一度は諦めたけど、やっぱり結婚式はしておきたい」と、結婚後、多くのご夫婦が思ったということではないでしょうか。

そんなご夫婦の結婚式を、私も何組か担当させていただきました。
あるご夫婦は、「親に言われたから仕方なく・・・」と、最初あまり乗り気ではなかったのですが、結婚式の準備期間中にどんどんテンションが上がっていったのを、今でもよく覚えています。
とくに奥様は、ウエディングドレスを試着しているうちに、無表情だったお顔がどんどん明るくなっていって。また、1歳のお子さんがいらっしゃったのですが、「この子の衣裳に天使の羽つけたらかわいくない!?」と、次々にアイデアが湧いてきて。
そんなご様子を目の当たりにした私たちも、「やっぱり、結婚式は女性にとって一生に一度の楽しみなんだなあ」と実感し、あらためてこの仕事に誇りをもちました。

ところが、一番大きく変化を遂げたのは、ご主人のほうだったのです。 結婚式の打ち合わせ中は、失礼ながら「結婚式にご興味がないのかな」という印象のご主人。披露宴の最後には「新郎の挨拶」という大舞台があるので、実は少し心配でした。
そして結婚式当日、いよいよ新郎の挨拶という時になって・・・
「僕たち家族を、どうぞよろしくお願いします」と、深々と頭を下げて立派にご挨拶されたのです!その姿をそばで見ていて、もう、心から感動してしまいました!
このご夫婦はきっと、結婚式の準備を通して、そして結婚式という特別な時間と空間の中で、家族になることの重みを確かめることができたのだと思います。
ゲストのみなさまの間にも、結婚のお祝いというよりは、新しい家族の誕生をお祝いしている、そんな温かい雰囲気が自然とできあがっていました。

結婚式には、3つの意味があります。 ●自分たちのため
結婚して夫婦になることを第三者の前で誓い、第三者にお披露目するのはケジメです。ケジメをつけた夫婦と、そうでない夫婦とでは、やっぱり夫婦生活に差が生まれます。
●家族のため
結婚式は、親御さんのためでもあります。我が子がみんなから祝福されている姿を見て初めて、「やっと子育てが終わった」と実感できる、それが親というものです。
●子供のため
将来、子供が結婚式に興味をもつ年齢になった時、「パパとママはどんな結婚式したの?」って聞かれる日が来ると思います。もしもその子が、「自分が生まれたから結婚式できなかったんだ」と思ってしまったとしたら・・・可哀想すぎます。
結婚式をする意味は、おふたりと、おふたりに関わる人びとのためでもあるのです。 とはいっても、子供が生まれてからの結婚式をためらってしまうその気持ちも、よくわかります。例えば、こんな理由でためらっていませんか? ●子育てで大変なのに、結婚式の準備までできない!
これは、私たちウエディングプランナーにお任せください。
結婚式の準備はだいたい3ヶ月半ぐらいでするのが一般的ですが、もっと早く、例えば半年前ぐらいからスタートして、ちょっとずつ進めることが可能です。逆に、1ヶ月半ぐらいに短縮して効率よく準備することもできます。そして、お子様同伴の打ち合わせ・・・まったく問題ありませんよ。
●結婚式って、お金かかりそうだし・・・
最近は、家族だけの結婚式も増えてきています。ご両家と親族、それと、ごく親しい友人だけをお招きするなら、そんなに多額の費用はかからないはずです。
●「今さら」って思われないか心配・・・
一般的な順序とはちがうので、「順番がちがう」というご心配はあるかもしれませんが、こう考えてはいかがでしょう?
「結婚して子供が生まれました。新しい家族をみなさまに紹介したいです。集まってください」
ただこれだけのことです。「今さら」なんて、誰も思ったりしませんよ。何よりご家族の誕生は誰にとっても喜ばしいものですから。
子供が生まれてからの結婚式。この形は、ひとつの結婚式のスタイルとしてこれから根付いていくと私は思います。 なぜかというと、今ではもう、7割ぐらいのカップルが結婚式を挙げるまでに入籍し、一緒に暮らし始めています。
そう考えると、子供が生まれてからの結婚式も、ただ単に結婚式を挙げるタイミングが後になったというだけのことで、何も変わったことではないと思いませんか?

河合 美香Kawai Mika

インターネット通販会社でアパレルのバイヤーを経験後、「人と触れ合えて、女性が長く輝ける仕事がしたい」との思いが募り、関西にあるウエディングスクールに入校。卒業後、関西のウエディング会社に就職。3会場でウエディングプランナーを経験後、現在、「ザ・スイート銀座」のゼネラルマネージャー。
バリューマネジメントグループ