結婚LABO(ラボ)他人に聞けない結婚式の悩みにプランナーの本音トーク続々! プロフェッショナルガイド

Question 今回のお悩み

ウエディングプランナー 伊東彩夏さんのアドバイス ウエディングプランナー
伊東彩夏さんのアドバイス

Answer

「日本人らしく、和装を着て神社で挙式したい」という方が今、とても増えています。
神社といえば京都、というイメージがありますよね?
なかには京都に縁がないのに、「京都の神社で結婚式がしたい」というカップルも!
そんな神社挙式をするにあたって、「どの神社がいい」とか「どの季節がいい」といったこと以上に重要なことがあります。
それは挙式の後、どんな披露宴をするか?そこが結婚式におけるポイントです。
それはなぜか?というお話を、実際のエピソードを交えてしていきたいと思います。

会場選びの前に知っておきたい4つの方法


まず、神社挙式の後でおこなう披露宴の手配方法を4つまとめてみました。
それぞれのメリットとデメリットも併せて参考にしてくださいね。

披露宴会場の手配方法 メリット デメリット
①ご自身ですべて手配 時間と場所が自由に選べる
予算内に収めることが可能
新郎新婦の負担が大きい
手配モレなどのリスクがある
②神社境内の会館を使用 移動がなくスムーズ 専門領域ではないため、料理やサービスにこだわるのが困難
③プロデュース会社に委託 すべてを一任できるためラク 仲介料の分、費用が高くなる
選べる会場が限られている
④ゲストハウスやホテルを
 使用
提携神社なら先行予約が可能
専門領域なのでおもてなしにこだわることができる
会場への移動が伴う
選択肢は多いですが、それぞれの手配方法にメリットとデメリットがあります。
おふたりがいちばん優先したいことは何ですか?
よく話し合って、おふたりに合う方法を見つけてくださいね。


披露宴をしなかったら逃していた、人生最大のチャンス


これからお話するのは、神社挙式と披露宴を通じて母娘の関係を修復された、ある新婦さまの実話です。 彼女は、小さい頃からお母さまの言いつけを守る“いい子”でした。
シングルマザーの母親への尊敬と感謝のきもちがあったからこそでしたが、進学も就職も、彼女の願いがかなうことは何ひとつありませんでした。
そんな不満が積もり、彼女とお母さまとの関係はギクシャクしていきました。
そして、大好きな彼との結婚が決まりました。
「結婚式は、自分たちの思い通りにしよう」
そう心に決めていたのに、お母さまが神社を選んで申し込んでしまったのです。
披露宴も、その神社の境内にある会館でするようお母さまに言われ、彼女は悩みました。
「これが最後のチャンスかもしれない。今、自分の意見をちゃんと言わなければ、お母さんとの関係を修復することは一生できないかも・・・」
それで、彼とおふたりで私どもの会場を見学に来られたのです。
彼女は勇気をふりしぼり、お母さまにこう言いました。
「神社での挙式は私も憧れていたから、お母さんの選んでくれた神社でする。でも披露宴は、料理が美味しくて専門のサービスが受けられる会場で、きちんとおもてなしがしたい。だから、自分たちで選ばせて」
お母さまにとっては、娘のはじめてのワガママ。
ものすごく驚かれたことでしょう。
最初は反対されていましたが、次第に譲られ、最後は「ふたりの好きなことをしなさい」と、背中を押してくださいました。
この披露宴を通じて、彼女にとっては「お母さまからの独り立ち」が叶い、お母さまにとっては「子育ての卒業式」が叶ったのです。
母娘の関係も修復できて、とても和やかで素敵な披露宴となりました。
いかがでしたか? 母娘がこんなにも思い合える機会って、長い人生のなかで結婚式だけかもしれません。
挙式も披露宴もしないカップルがいらっしゃいますが、こういう機会があったかどうかで、結婚後の人生に大きな差が生まれるんじゃないか、とも思いました。
神社挙式のあとはぜひ、みなさまの心に残る素敵な披露宴を叶えてくださいね。


伊東彩夏

伊東 彩夏Ito Ayaka

ブライダル専門学校在学中、ホテルとゲストハウスの2カ所で婚礼アルバイトをし、その温度差を実感。「新郎新婦の思いを共有し、本当の意味でのいい結婚式を」との思いが募って2013年、アルバイト先の会場を運営するバリューマネジメント社に新卒入社。現在は鮒鶴 KYOTO KAMOGAWA RESORTのチーフプランナーとして活躍中。目標は「婚礼業界を改革し、底上げに貢献できるプランナーになること」
バリューマネジメントグループ